呉子ども祭の歩み
子ども祭の出発点は昭和48年である。
当時、呉市民の間で、他にあるような見る祭ではなく、市民が自分達の手で準備し参加できる、全市的な祭を作りたいという気運が高まっていた。
当時の呉青年会議所理事長がその意見に同調し、各市民団体・市役所・及び呉青年会議所の間でいく度も会議が持たれた。
議論の結果、当時、高度経済成長も終わり物質文化の波に流された子どもの心は荒れているのではないかという意見が出た。
その子ども達に豊かな心を取り戻す、夢と想い出を子どもの心に残せるような祭にしてやりたいという結論に至り、第1回子ども祭は昭和49年8月3日に開催された。
第1回子ども祭のテーマは「ディスカバー故郷 呉」である。
令和3年5月4日、第48回呉子ども祭が開催された。
テーマは「こころをもやせ!えがおのこきゅう」である。
現在でも、呉子ども祭実行委員会と呉まつり協会が主催し、呉市、呉市教育委員会の後援をいただきながら呉子ども祭は毎年開催されている。
実行委員である高校生達が主体となり、どのような祭にするか議論し、準備し、自分達で祭を作り上げるぞ、という情熱を持って行われている。
第1回、第2回、第3回呉子ども祭では、祭に参加した小学生を対象に手型を取り壁に貼り付け、「想い出の壁」と題した記念碑として呉市中央公園内に建設し、現在に至るまで長年、呉市の子ども達の遊び場として親しまれてきた。
しかし、この度呉市中央公園は大規模な整備が行われることとなり、この想い出の壁は他の土地へと移築されることとなった。
そのため、ここに記念碑の手型の写真を残すこととする。
長年親しまれてきた記念碑が公園内から無くなってしまうことは残念だが、第1回子ども祭を開催した時の熱い思いは、現在の若者達にしっかりと受け継がれている。
これから先も、呉と呉の子ども達の明るい未来を心より願っている。