「無人島に溢れる思いやりの心」

「無人島に溢れる思いやりの心」

 

梅雨も明け、夏真っ盛りの天候となった7月末、グリーンピアせとうちの少し沖に浮かぶ無人島、柏島にて、7月24日(金)から26日(日)までの二泊三日で「思いやりあふれるまち創造事業 無人島サバイバル生活 Be a Survivor」が開催されました。

 

この事業は中西委員長率いる思いやりあふれるまち創造委員会による事業です。

60名という人数の子どもたちを二泊三日お預かりするというだけでも大変なのに、さらに無人島で生活させるというかなりハードな内容となっておりました。

 

一日目は、グリーンピアせとうちに集合し、船で柏島に向かいます。

各グループにわかれ、まずは拠点となるテント作り。慣れていなければ大人でも苦労するこのテント設営ですが、すべて子どもたちのみで行いました。各グループにはリーダーという役割の青年会議所メンバーがついているのですが、手伝うことはありません。なぜならこの事業では「すべて子どもたちだけで考え、行動する」が基本方針となっているからです。

苛酷な環境の中で、仲間と協力し、ひとを思いやる心を育ててほしいというのが事業の目的となっているからです。

 

やはり、子どもたちだけに任せてしまうと、想像以上に時間がかかり、出来上がりもグループによって大きく差がでていました。

 

これは昼食作り、そして夕食作りでも同じでした。真面目にやる子もいれば、初めから手伝う気が無さそうな子。途中から飽きて遊び始めてしまう子。なかなかチーム一丸となって取り組むことができず、時間ばかりかかって、水っぽいお米に硬いお肉の入ったカレーをかけて食べるという始末です。

こんな感じであと二日も過ごせるのか…と多くの大人が不安になったかと思います。

 

しかし子どもたちの成長というのは大人の予想をはるかに超えるものです。

 

二日目も、宝探し等のアトラクションや、昼食や夕食もまた子どもたちだけで行ったのですが、それが一日目とはチームのまとまりも行動のスピードも段違いだったのです。女子が野菜の皮むきを頑張れば、男子はイスを運んだりして力仕事を頑張る。誰かがトイレに行きたいといえば、ちゃんとリーダーに断りを入れて、一緒についていってあげる。そんな光景が各所で見られるようになりました。

特にそれを感じていたのは各チームのリーダーでしょう。

はじめは「手を出してはいけない」というストレスや、やんちゃな子どもたちに手を焼いていたリーダーも、二日目の自由時間には一緒に釣りを楽しんだり、少し余裕をもって子どもたちの行動を見守ることができたようです。

 

もちろん、こちらの狙いばかりにいくわけではありません。ちょっとしたケンカ

もありましたし、仲間の注意に耳を貸さないようなこともあったり・・・。

この二日間で学んだことはなにかという質問に、「無人島生活たのしかった」という意見がでたり。

 

しかしそれでもいいんです。こんな過酷な二泊三日を過ごしきることができた子どもたちには、それぞれ心に残った何かがきっとあるはずだからです。

 

 

最後に、この事業は、中西委員長が事業への参加協力依頼から、最終日の委員長挨拶まで一環しておっしゃっていたよう「みなさんの協力がなければ絶対に成功しない事業」であったと思います。

少しでも手伝いたいという仲間のために、夜通し何度も船を出して送迎をするメンバー、疲労困憊なグループリーダーをみかねて「俺が見とくけー休みんさい」と声をかけるメンバー、少し盛り上がりが欠けるところを見つけて積極的に各グループを盛り上げて回るメンバー、ただ後片付けや掃除のためだけに無人島までやってくるメンバー。

きっとこの事業で人を思いやり、行動できたのは子どもたちだけではなかったと思います。